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2018年10月22日

161/土壁の色

民家における色の扱いについては考察を重ねなければいけないが、淡路島におけるその扱いは民家においては自然素材の色そのまま。特に意匠的にこだわりを持って選ばれているようには感じられない。詳しくは調べていないが、どこの地域でもそのへんから土壁の粘土、砂、スサは採れるはずである。新建材が登場してきたあたりから様々な素材、色が使われ始めたように思う。

淡路島の家では採れた土そのままの色に植野工務店が製造している竹炭を細かく砕いて混ぜることにする。竹炭には調湿作用や匂いの吸着効果などが見込めるという。
サンプルを作成して施工する色を決める。ベースは砂4杯、淡路島の土1袋、スサ10Ⅼ。それに竹炭を1カップずつ増やしていく。左上からベースの土のみ、炭2カップ、左下に炭3カップ、4カップ、5カップという具合。塗りたてはかなり濃く見えるが乾燥したらどうなるだろう。何十年もたって、構造材が今のように白く美しい状態から、くすんで彩度がもっと落ちた状態を想像しながら決めていく。理想は、土壁と柱の色が揃い一体になり、全体が馴染んだ状態だ。
色に関しては感覚でしかない。光の当たり方で様々な見え方になるので、光の当たるところも横からあたるところ、正面からあたるところ、あたらないところ、様々な場所に置いてみて色の出方を確認。結局、4カップに決めた。