IMG_1551

2018年03月11日

133/配置

諸条件の整理が終わり、ようやく着工にこぎつけることとなった。梅の花がちらほらほころび始め、冬から春の陽気にすっかり変わってしまった。ここから、図面で検討していたものを現場で落とし込み再度検討をしていく作業に移る。より、現実的で身体的な感覚、その場の判断が要求される。

とても重要な建物の配置である。敷地の形状、周辺の環境を考慮しながら決定していく。ここの敷地の場合は道路から数メートル上がった場所にある小高い丘のようになっている。さらに北西に急斜面の崖が控えていて、敷地は広い割には建物の形状を左右するほど敷地はほぼ東西に長細くなっている。自然、建物はその敷地の真ん中あたりに決まってくる。どちらかによっても崖崩れの心配があるし、周囲に崖が迫っているのも空気の流れが滞りやすく建物にとっても良くない。リビングから見える景色、和室から見える景色、寝室からと個々の部屋からの視線を想像しながら、現地で縄張りをし、微妙なよりを調整する。

あんなに広いと思っていた敷地もそう考えていくと建物が建てられるところはそう広くはない。数十センチの中で配置を調整している。