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2018年02月08日

130/雨風と向き合う

「日本の農家の建て方がいかに豊富な変化を見せているかは、実に驚くべきものがある。それはあたかも自然の風景が北方では粗削りで、別なところは亜熱帯的であり、さらに牧歌的なところがあるかと思うと、他のところでは人を寄せ付けないほど厳しい・・・・非常にまちまちである・・・・それゆえ日本の農家の建て方は、その変化において実に多種多様な追想を呼び覚ますのである」ブルーノ・タウト

日本の多雨多湿な環境において雨を防ぐこと、それに風を通すことはとても重要な要素になる。それを防ぐには庇を大きくとること。そして今のように防水となるような建材がない時代、なるべく庇の高さを低く抑え建物に雨があたらないことが求められた。湿気がたまる場所をなるべく作らず空気の流れを作る。湿気は、カビやばい菌を繁殖させ、木や人にとって良くないのは明らか。プランは自然と南北に大きくとるよりも東西に長くなるカタチになる。今回の敷地形状にもよるところは大きいが、東西に長くなることによって南面からの光や夏の風を各居室にまんべんなく取り込むことができるし、全く日の入らない、風の入らない部屋を作らなくてすむ。また、東西からの強い太陽光を抑え居住環境のいい場所を比較的作りやすくもなる。東西に長い建物は一つの自然なカタチになるのではないだろうか。
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