igusa

2017年07月07日

106/畳

あの清々しい独特の香り。ゴロンと横になれる気軽さと、キチンとした場にも対応できる自在さ。心地のいい弾力と夏のじめっとしたときにでもサラっとした調湿作用。そんな畳について、多くのことを知らなさすぎる。

畳を構成する部材に、畳表、畳床、畳裏、畳縁、框がある。その中でも畳の良しあしを大きく左右するのが、畳表と畳床である。昔ながらの畳は、稲藁を重ねて圧縮した畳床に、い草で織ったゴザのような畳表を張って作られる。自然素材である畳は調湿性や断熱性をもち室内の空気を調整する効果がある。どっしりと重いけれど、歩くと適度な弾力が足裏に伝わり、日向の干し草のような独特の香りは気持ちのいいものである。しかし、近年の畳床はポリスチレンフォームをインシュレーションボードでサンドした建材床が最も普及している。畳表もまた、その8割は中国産のものが使われているという。もちろん建材床にもメリットがある。軽くて扱いやすく、比較的安価に手に入る。へこみ部分の補修などは藁床より簡単にできるという。こうしたことを理解したうえで適材適所、その条件にあった適切なものを選択できる知識を身につけておく必要があるだろう。もちろん、淡路島の家ではなるべく自然のものを使いたいと思う。

より詳しく知りたい方は「住む。No.34参照」