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2017年05月24日

088/伝統構法

淡路島で伝統構法の建て方に立ち会う機会が得られた。
以前のブログで専門用語の解説を少ししたのでここでは省略させてもらう。

まず目にとまるのは横の材木。貫の存在である。在来工法では筋交いという、柱と柱の間に斜めに木材を入れることによって歪みに耐える。伝統構法は貫が柱間を貫いていくことによって粘り強い家になる。
化粧の大きな柱を除いて、柱は隅柱が6寸、それ以外は4寸角。一般的な在来工法のものより少しづつメンバーは大きい印象である。隅柱は礎石まで貫かれ、それらを足固めの横材が繋ぐ。そこも大きな特徴の一つである。在来工法であれば、基本的に基礎が四周ぐるりと立上り、その上に土台と言われる木材が乗る。柱はすべてその上に乗るのが基本である。土台や柱は決して動かないように頑丈に作られた基礎と金物で緊結される。伝統構法では真逆の考え方で基礎からは建物は自由に動くようになっている。
建て方は、在来工法のそれよりもたくさんの時間と人数をかけて行っていた。家自体が大きいというのもあるが、仕口自体が在来工法のものよりも複雑で、組み合わせていかなければいけない。柱と桁でできた枠と枠を開きながら、その間に梁を差し込んでいく。チームワーク良く、棟梁が指示を出しながら差し込んでいく。木のギシギシときしむ音と大工さんたちの大きな声が現場に響き渡る。在来工法では差し込むというよりは落とし込むという作業が多い。クレーンで吊りあげた梁を真上から、ハンマーでたたき込む。それだけでは揺れた際に抜けが起こるので金物を使って緊結していくのである。

今もまだ構法については悩むところで実際現場に立つ機会を得られたことはとても大きい。緊張感のあるとてもいい雰囲気の現場であった。

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