2017年02月16日
055/前川産業
土壁や瓦の土の掘削、販売をしている五色町広石にある前川産業さんを訪ねる。前川さんのことは森左官の森さんに教えてもらった。淡路島の中でも数少ない土壁屋さんの一つである。会社につくと倉庫には種類分けされた土がいくつも山に盛られている。同じ場所から取れる土でも層によって使い道が変わってくるらしい。考えればあたりまえの話だが、土といってもさまざまである。土の粒の大きさによって、粘土、シルト、砂、礫の4段階に分類され、壁土や瓦の土は粘土を使う。特に瓦の土はゴミ一つ許されないくらい繊細に選別したものを使っているという。近くの土取場からとってきた土は、注文が入ると土連機と呼ばれる機械で水とスサとを混ぜ合わせられる。ここでは近所で取れた稲わらをもらってきて適当な長さにカットして混ぜ込んでいるという。練った粗壁土は一般的に2tトラック一車あたり12、000円前後。土壁を作る家ほとんどなくなり、今ではほとんどでなくなってしまったという。次回以降でもう少し詳しく土壁については調べていくことにする。
土だけでもさまざま形、表情に変化し家の素材として使われている。土壁や瓦、土間など多岐にわたる。現場を訪ねることで素材の持つ力を身体に浸み込ませ、土という素材のものつ可能性を最大限を生かした設計を心掛けたい。