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2016年12月13日

030/一本目

2016年12月13日、am9:00、小雨の降る中、神事は執り行われた。
山の神様に、静かに工事の挨拶と安全を祈願した。
山の中では、風雨は弱まり、外の世界より少し静かで、なにものかに守られているような安心感がある。主に伐採作業に当たる、辻さんと新庄さん、それから作業に使う道具たちもお清めしていただく。

最後のあいさつで神主さんがとつとつとしゃべり始めた。
「今日は本当に良い日です。たくさんの言いたいことがあります。昔は山の木を使って家を建てていたけれど、今では珍しくなってしまいました。私たちが子供のころは、木を出す手伝いをして小遣い稼ぎをしたもんです。荷車の車輪もすべて木でできていて、子供にはとっても大変だったんです。」

神事の後、小雨の降る中伐採は行われた。辻さん、新庄さんがどこからどういう順番で木を倒していくか状況を見定める。目的の方向に倒すのに邪魔になりそうないくつかの小さい木の伐採から始める。間伐されていない森は密集していて、周囲の木々にひっかかり思うように倒れてくれない。引っかかるたびに調整しながら、ようやく倒れた。
今までそこに立っていた木が倒れた隙間からそこに光が差し込み、雨が吹きこみ、空が大きくぽっかりとあく。晴れていれば光ももっとたくさん差し込んでいただろう。あたりに檜のいい香りが漂う。ちょうど雨脚も強くなり今日は一本で終了。1本倒すのに1時間くらいはかかっただろうか。

辻さん、新庄さん、ありがとうございます。

昔の人達は、こういう積み重ねをいろんな場面でしてきたんだろう。謙虚に謙虚に自然と寄り添って、生きていくということがどれほど大変だったんだろうと想像できる。今ではは当たり前にできることが、どれほど大変な場面を経てそこに至ったのか。今では想像すらできない。

淡路島の家を建てたいと思い始めて、いろんな人に話しいろんな繋がりができて、ようやく今日、淡路島の檜を伐採することができた。まだまだ家の構想もカタチもなにもないが、ようやく初めの一歩をいろんな方々の助けで踏み出すことができた。img_0292img_0660