2016年10月21日
014/神山
ランドスケープデザイナーの田瀬理夫さんが来るということを前日に知って、なんとかかんとか仕事を片付けて徳島県神山で行われた、鮎喰川すまい塾に伺った。
田瀬さんのことは、昔からなんとなくは知っていたが、西村佳哲さんの「ひとの居場所をつくる」という本と出会って改めて、田瀬さんのランドスケープにかける姿勢を知ることになる。
今回のテーマは「地域のものでつくる、あたらしい暮らし」
まさに今淡路島の家でやろうとしていることそのもの。そこにどういうアプローチで取り組もうとしているのか興味深かった。
建築以外にもとても興味深いお話が多く聞けたが、とくに印象深かったのは、田瀬さんの視点の多様さである。「トータルランドスケープ」という全体としてすべてつながっていて、敷地だけでは決して考えないランドスケープ。敷地は見えない線によって仕切られているが、そんなものはお構いなし。鮎喰川から海までつながる水系の話、子供たちの通学の話、大人たちの散歩の視点、虫や植物、太陽とその場所との関係性、敷地周辺の起伏、高さの関係性、視線の抜けや、敷地から見えるものの観察、風、人の動線。ほんとに多種多様な視点からその場所を見ていく。生物の多様性とは、その水系、地域に本来「あるべきもの」が「ある」状態だという。あるべきものをあらゆる視点で観察して、あるべきものを見つけ、知り、そして、それをそこに定着させていくということだけをしている。余計なことはしない。そこに尽きる。
田瀬さんには、年明けに一度淡路島にもお越しいただける?かも。実際敷地を見ていただいて、淡路島を感じていただければ。どういう風な見立てをするだろう?
田瀬さん、西村さん、つなぐ公社のみなさん、ありがとうございました!