2016年10月19日
012/古民家見学
細川家住宅(香川県さぬき市多和額東46)
1間を6尺5寸とした6.5間×3間の長方形の建物である。
間取りは横一列に、上手が竹床のザシキ、次が土間、西側に広い土間(ニワ)を設けた3間取り広間型の古式平面構成である。柱は栗材を使い、多角形のチョウナ仕上げである。ほかの軸部は松材で、小屋組も木が細く古式である。屋根はツクダレと呼ばれ、すべてカヤが使われている。西と北には開口部がなく大壁である。壁はスズメとよぶ竹くさびで横間渡竹を取り付け、小舞竹はたて・よことも割り竹を使って下地をつくり、壁土を塗っている。土座は囲炉裏を中心にして、客の接待、家族の団らん、食事などに使われ、現在の居間にあたるところである。座敷の竹床は、板を作るのに比べて入手が容易なことと、当時の生活習慣との関係から採用されたものである。
これがこの建物の説明である。
18世紀初期の建物とあるので、淡路島で目にできる古民家と呼ばれるものよりもおおよそ200年も昔の作りということになるだろう。同じ瀬戸内海気候で同じような環境が想定できる中(こちらのほうが少し山深いが)、淡路島でも同じような家が建っていたのだろか。残念ながらこの時代の家の建物は、淡路島では見ることができていない。あるのかどうか調べてみないと。
茅葺の重厚感ある分厚い屋根、水平ラインがとても美しい低い軒、少ない開口部とそれによる暗い内部空間、外壁は大壁の土壁で地面から基壇で一段上がっている、構造材は手斧仕上げや丸太のままで真っ直ぐな線はほとんど見当たらい。ニワと呼ばれる、仕事をする部分が1/3以上を占め、座敷は竹の上にムシロ敷という簡素な仕様。
自然と一体となったその建物は、ほとんど山の一部として溶け込みそうなほどである。急な小道を上がっていった先に静かにたたずんでいた。