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2018年09月15日

154/アルミサッシ

アルミサッシを取り付けることになった。たいしたことではないように思われるかもしれないが、僕の中では一大事で淡路島の家プロジェクトを左右するほどのことだと思っている。
淡路島の家プロジェクトは、自然に寄り添った家づくりが中心で、それに伴って機能的な部分や使い勝手などが考慮される。考慮しないわけではなく、当たり前のこととして考慮していく。自然を切り離した暮らしをするような、全館空調や高気密高断熱などではない暮らし方の提案だと思っている。便利で快適なほうがいいに決まっているし、メンテナンスやいらない心配を抱えながら暮らすのは望まない。が、必要以上はいらない。
開口部分は建具屋さんに作ってもらう木製建具がこの家には似合うだろうと考えていた。どうも工場で作られてきた金属のフレームが並ぶ家がイメージできなかったのだ。
建て方が終わり、瓦が葺かれたころ、一緒にこれから多くの時間をこの家で暮らす家人から待ったが入った。金額的、機能的、メンテンナスの問題、様々な部分で、木製建具を使う理由が見つからないという。時間をかけて話し合ったが折り合いがつかず、結局、アルミサッシに急きょ変更をすることになった。一番近くの施主を説得できなかったのだから、設計者としてはまだまだである。決して悪いものではなく、その良さを数字や言葉にしづらいだけなのだ。それは淡路島の家に言えることでもある。数字や機能面、金額など現代の評価基準に合わせると、ハウスメーカーや高機能な住宅にはかなわない。それだけではない大切なもの、居心地の良さを作り上げるものがあると感じているし、そう信じている。そういうもの小さな積み重ねが淡路島の家になればと思っている。