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2018年04月20日

137/仕口と継手

角材や丸太材を用いて加工を組もうとすれば、材を継ぎ足し、材と材との接点は、縄で縛るか、木と木を凹凸に刻んで組み合わせるか、釘を打つか、ボルトで締めるか、糊で貼るしかない。釘等の接合具がなかった時代で、断面の大きな部材を用いた堂塔は、当然の帰結として部材相互の接合に木材を嵌合する手法が採用された。木材を継ぎ足して長さを長くする接合を継手、木材相互が直行あるいは斜交する接合を仕口と呼んでいる。これらの接合部には、滑りを防止するためのダボ、しゃち、引き抜けを防止する栓なども用いる。継手、仕口の役割は、部材相互を接合することであるが、部材から部材への力の伝達、建て方時に木組みするだけでの自立性、そして木組みされた後の美しさも重要な要素となっている。-神山幸弘-
継手には、腰かけあり継ぎ、腰かけかま継ぎ、追いかけ大栓継ぎ、金輪継ぎ、尻ばさみ継ぎ、めちいれ、いすか継ぎ、隠し継ぎなどが、仕口には方下げあり、割くさび、地獄ほぞ、送りあり、二方差しなど多岐にわたる。

参考文献『木造の継手と仕口』住吉寅七、松井源吾、著

写真は、建物に桁部分である。追いかけ継ぎ。建て方のために来ていたこの大工さんは70歳をこえる。遠い昔に、淡路島の木を使って建て方をしたことがあるが、最近はそういう話しも聞かなくなったという。_IGP5423_IGP5422