2017年07月13日
108/境界
午前中に製材を終え、午後からは以前からお世話になっている広石生産森林組合の方々と淡路島の家プロジェクトの山師、新庄君に同行してもらって広石の森林を見てまわる。
淡路島の家プロジェクトは1軒の家を建てるためのプロジェクトでは終わりたくない。淡路島の風景になるよう、古民家がそこにあるように淡路島の家プロジェクトで建てられた家を増やしていきたい。そのためにもどれくらいの使える素材が眠っているのかの調査を引き続き行っているのである。
前にも書いたが、生産森林組合が管理している山が、どこからどこまでかわからない。個人の山との境界線がどこにあるのかわからない。調べれば調べるほどいろんな資料が出てきていて、どれにも整合性がない。組合の方々は山の境界にあるだろう杭を探して、山の中を歩いているのだというがそんなに簡単なことではない。山は急斜面だし、草や木の侵食の力はとても人間の力では太刀打ちできない。がけ崩れはところどころ起こって道をふさいでいるし、なにせ広大な山の広さ。先輩たち一人ひとりに聞いて回っているのだそうだ。先輩と言っても、その時代にバリバリ木材の仕事をしていた人たちは大正生まれの人たちだというから、これも一筋縄ではいかない。我々の心配するようなことでもないが、こういう状況は民間の境界のほうがより一層わからなくなる。何もすることのできない山が今後どんどん増えてくるのだろう。