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2017年05月27日

091/砂河守吏

「どうやって、切るところ見極めてるんですか?」「めっそや」と笑う、砂河木材の砂河守吏さん。
今の製材所の機械はコンピューターで制御されているのかもしれない。自分の工場の機械が古いことを謙遜されるが、すべて砂河さんの頭の中にコンピューターが入っていて、われわれには到底追いつかないスピードであらゆることが判断される。
まっすぐな木は一つもない。檜は立っているときは、天に向かって真っすぐに生えているように見える。伐採されて平らな地面にもってきてようやくその曲がりの大きさを認識する。また元と梢があるように上に行くにしたがって細くなっていく。その一つ一つ違う木のカタチやクセを見極めながら、製材の台に載せて木の中心を取り機械に固定していく。少しでも、そのめっそとやらを盗むために必死になって見ているが、自然にあるものの形や大きさに同じものはなく、まだまだ分からないことだらけである。その指示に従うことで精いっぱいである。教えてもらうというより木に慣れて、木を感じながら、自分なりの見方を構築していくしか方法はないような気がする。

手間ばっかりかかるよ。と相談した当初からよく言われてきた。今でもよく言われる。そんな我々の面倒くさい仕事を良く引き受けていただいたと思う。もう引退する年齢だとよく言うがまだまだ引退は早い。これから淡路島の木を継続的に使っていくためには砂河さんがいないと進められないのだから。