IMG_7033

2017年02月19日

059/土壁とは

土壁を構成する素材は、壁土、竹小舞(小舞竹、間渡し竹)、藁縄から成る。起源は諸説あるようだが、大陸から渡ってきて寺院から始まり、約10世紀近い時を経て、一般市民にその技術が伝わったとされているようである。今ではほとんど見ることもなくなってしまったが、古くからこの方法で家づくりは行われてきた。
土壁については「NPO法人土壁ネットワーク」というところがかなり詳しく調べているので、詳しく知りたい方はそちらを見ていただきたい。

土壁ネットワーク:http://www.tutikabe-net.com/about.html
以前からもそのことには少し触れているが、淡路島において壁土屋、竹小舞屋はほとんど仕事がなく、どんどん減る一方だという。工務店、大工さん、左官屋さんに聞いても同じ答えが返ってくる。ますます減る一方の工法をあえて選択するにはそれなりの理由がいる。作業はほとんどが手作業でとても時間がかかり、その分人件費に跳ね返ってくるのでコストアップにつながる。現在建築業界で最も一般的に行われているプラスターボードによる建築、はたしてそれが最善の選択なのかどうかわからない部分がある。安価で施工性に優れているからということで今まで積み上げてきた優れた技術を選択肢から外したくはない。ただ、伝統的なものであるからいい、という判断はしたくない。現代の暮らしに合わない部分も多分にあるし、それがなくなるにはそれなりの理由がある。
どんな素材にも、弱点、強みは存在するもの。土壁でいうと、弱点は断熱、それから耐震ということになる。強みは、調質性、防火、蓄熱、防音などである。適材適所。それぞれの弱点、強みを補いながら最善の方法を見つけていきたい。

_IGP0441