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2017年02月18日

056/広石生産森林組合

生産森林組合とは、地区の共有地を共同経営する森林組合で、森林の保全や林業にかかわる事業を共同で行うための組織である。
生産森林組合の存在は、昨年に森林組合や洲本市役所を訪ねて淡路島の林業についてヒアリングを行った際に聞いていた。そこで広石の生産森林組合の長をされている宮田さんを紹介されて、以前このプロジェクトの説明に伺っていた。そのご縁からこの度、組合員の方々と山の境界や山道の状況、木の状況を見るのに同行させていただくことができた。
山と言っても相当に広い。山のなかにも10本くらいの道が通っていて、そのすべてを把握している人は誰もいないという。また、民間、個人との境界もあいまいな部分が多く、どこからどこまでが組合の山かすらわからないのが現状という。昔の地図、測量図、字切り図を広げ、実際現地で地形を見ながら、谷、尾根の形を読みながら予想をたてていく。そこには昔に杭やピンが打たれている。遺跡の発掘調査のようにその印を山の中を探して歩いているのである。道のあるところはいいが、(今回は僕がお客さんということもあり道のあるところを案内してくれた)大半は山道で斜面になっているし、草が生い茂っているところが多い。
林業に関しては、知る限り30年ほど前までは木を出していたというが、それも記録上のこと。実際に経験している人はほんの一握りで高齢化が進んでいる。ほとんどが大正生まれの人たちばかりという。昔は、マツタケが採れたとか、シキビを植えていたとか、燃料用の薪を出していたとか、存分に山の恵みを利用していたという。それも30、40年くらい前の話し。

現在ではほとんど山にも入らず、境界の確認作業をする程度だという。実際、山に入ると道の両側に結構な量の杉や檜が植林されている。道付きのいい場所もあり、いま伐採している仁井の山よりも大きなものも見える。本数も、今回は3本の道を案内していただいたが千本単位であると想像できる。さらに山の頂上付近にはもっと樹齢の古いものもあるという。ただ、今回は道ががけ崩れでなどで上まで行けなかった。境界の確定や金額の面など超えないといけないハードルはいくつかありそうではあるが、いい山である。
宮田さんをはじめ、広石生産森林組合の皆さんがとてもいい方ばかりで、それが一番うれしい。

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