_igp03172

2016年07月23日

002/なぜ-2

なぜ、淡路島の家プロジェクトを始めたのか?

大阪での設計事務所勤務から淡路島に帰って、しばらくして古民家再生プロジェクト「recominca」を立ち上げた。その時には明確に理由があって始めたわけでなく、なんとなく感じる違和感とふつふつと湧き上がるよくわからない疑問からであったように思う。
そこで、多くのことを学ぶことになった。
古民家と呼ばれる建物はほとんどが基本的に同じプランをしている。瓦屋根の納まり、仕上げ材、長屋門があるかどうか、大きさなどの違いはあるが大きなところはもうほとんどが同じである。古民家の考察についてはまた別の機会に。

「どこからでも便利ないい材料をもって来るわけにはいかないので、自分たちの土地で得やすい材料を主として作らなければならない。また、土地によって気候風土が違うから、雨の多いところでは、それに備えるように、寒いところでは、寒さを防げるように、それぞれ自分たちで工夫して作らなければならない。」-日本の民家 今和次郎著

まさにその結晶が、古民家であり、そして淡路島の家であるべき姿なのだと。
古民家の持つ、魅力、長い年月をかけて積み重ねてきたカタチ、自然の力と対峙、寄り添いながら暮らしてきた形がそこに現れているはずである。これ以上の教科書はないはずである。それを見る目がこちらにあるかどうかが試されている。
ただ、いまある古民家と同じではいけない。暮らしは大きく変わり、働き方、生き方も多様化している。
現代のくらしにあった民家、淡路島という場所で暮らすための「淡路島の家」を考える必要がある。